llms.txt は本当に必要?効果検証と正しい書き方【2026年版】

この記事でわかること

  • llms.txt とは何か、robots.txt との違い
  • 現時点での効果(主要 AI プラットフォームの対応状況)
  • 作るなら何を書くべきか、書き方の基本ルール
  • 導入すべきか / 見送るべきかの判断軸

llms.txt とは

llms.txt は、ウェブサイトの構造やコンテンツの概要を LLM(大規模言語モデル)に伝えるためのファイルです。

2023 年末ごろから提唱され始め、2024 年〜2025 年にかけて一部の GEO ツールが生成・ホスティング機能を提供するようになりました。

robots.txt が「クロールの許可 / 拒否」を伝えるのに対し、llms.txt は「サイトの内容やナビゲーションの要約」を LLM に渡す役割を担います。

ファイル 目的 読み手
robots.txt クロールの許可 / 拒否 検索エンジンのクローラー、AI ボット
llms.txt サイト構造やコンテンツ要約の提示 LLM がサイト全体を理解する際の補助情報
llms.txt はまだ「標準仕様」として確立していません。

LLM 提供各社が公式にサポートを表明しているわけでもありません。
この点を押さえたうえで、現時点の状況を見ていきます。

現時点での効果

結論から言うと、2026 年 2 月時点で llms.txt の「直接的な効果」は限定的です。

主要 AI プラットフォームの対応状況

AI プラットフォーム llms.txt の公式サポート 備考
ChatGPT(OpenAI) 未表明 GPTBot はクロール時に llms.txt を参照するという公式情報はなし
Perplexity 未表明 一部のユーザーが「llms.txt を参照している」と報告しているが、公式ドキュメントに明記なし
Google AI Overviews 未表明 Google 検索のインデックスを元に回答を生成する設計
Claude(Anthropic) 未表明 Web 検索機能は Perplexity とは異なる設計
上記のとおり、主要な AI プラットフォームは llms.txt の公式サポートを表明していません。

間接的な効果

llms.txt の設置自体に「直接的な引用率向上」は確認されていません。
ただし、以下のような間接的な効果を期待する声があります。

  • サイト構造を整理する過程で、情報設計が改善される
  • サードパーティの GEO ツールが llms.txt を読み込み、分析に活用する
  • 将来的に AI プラットフォームが公式サポートした際に先行優位を得られる

現時点では「あれば悪くないが、優先度は低い」という位置づけです。

注意点

一部の記事やツールが「llms.txt を設置すると AI に引用されやすくなる」と謳っていますが、因果関係を示すデータは公開されていません。

llms.txt の効果を主張する場合は、「どの AI プラットフォームが llms.txt を読み込んでいるか」「その根拠は何か」を確認してください。

作るなら何を書くべきか

それでも llms.txt を作成する場合、以下の項目を記述することが推奨されています。

基本構造

# llms.txt

## Site Overview
サイトの目的と概要を 1〜2 文で記述

## Main Content Areas
- /products - 製品一覧と詳細
- /blog - 技術ブログ、ノウハウ記事
- /docs - 製品ドキュメント
- /about - 会社概要、チーム紹介

## Key Topics
- トピック 1
- トピック 2
- トピック 3

## Contact
問い合わせ方法や連絡先

書き方のポイント

llms.txt の目的は「LLM がサイト全体を把握しやすくする」ことです。
以下のポイントを意識してください。

シンプルに書く

LLM はプレーンテキストを読み込みます。
装飾や複雑な構造は不要です。
マークダウン形式で、見出しと箇条書きを使い分けてください。

主要なセクションを列挙する

サイトの主要なディレクトリやカテゴリを列挙します。
すべてのページを列挙する必要はありません。
「このサイトには何があるか」が伝わる粒度で十分です。

トピックを明示する

サイトが扱うテーマや専門領域を列挙します。
LLM が「このサイトはどのような質問に答えられるか」を判断する材料になります。

更新日を記載する

情報の鮮度を伝えるため、更新日を冒頭に記載することを推奨します。

# llms.txt

# Last updated: 2026-02-01

書くべきでないこと

以下の情報は llms.txt に記載すべきではありません。

  • 機密情報、内部ドキュメントへのパス
  • 誇張した表現(「業界最大」「唯一の」など裏取りできない主張)
  • robots.txt で Disallow しているページへの誘導
  • SEO キーワードの羅列

llms.txt は「LLM への説明」であり、SEO のキーワード詰め込みとは異なります。

導入すべきか / 見送るべきかの判断軸

llms.txt の導入を検討する際、以下の判断軸を使ってください。

導入を検討すべきケース

  • サイト構造が複雑で、LLM がナビゲーションを理解しにくい
  • GEO ツールを導入しており、llms.txt を活用した分析機能がある
  • 将来的な AI 対応を先取りして準備しておきたい
  • サイト全体の情報設計を見直す良い機会にしたい

見送っても問題ないケース

  • サイト構造がシンプルで、主要コンテンツが明確
  • robots.txt や構造化データ(JSON-LD)の整備がまだ終わっていない
  • リソースが限られており、優先度の高い施策がある

llms.txt よりも優先すべき施策は以下のとおりです。

  1. robots.txt で AI ボット(GPTBot、OAI-SearchBot、PerplexityBot)を許可する
  2. 構造化データ(JSON-LD)で Article、Person、Organization を記述する
  3. コンテンツの情報構造を見直す(H2 直後に結論を置く、FAQ を追加するなど)
  4. ページ速度を改善する(AI ボットもクロール効率を見ている)

これらが整備されていない場合、llms.txt の優先度は低くなります。

実装例

llms.txt の実装例を示します。

ファイルの配置

llms.txt はサイトのルートに配置します。

https://example.com/llms.txt

記述例

以下は SaaS 企業のサイトを想定した例です。

# llms.txt

# Last updated: 2026-02-01

## Site Overview
Example Inc. は、中小企業向けの経費精算 SaaS を提供しています。
経費申請、承認ワークフロー、会計ソフト連携を 1 つのプラットフォームで完結できます。

## Main Content Areas
- /products - 製品概要、機能一覧、料金プラン
- /docs - 導入ガイド、API リファレンス、FAQ
- /blog - 経理業務のノウハウ、製品アップデート
- /customers - 導入事例、お客様の声
- /about - 会社概要、チーム、採用情報
- /security - セキュリティポリシー、認証情報

## Key Topics
- 経費精算
- ワークフロー自動化
- 会計ソフト連携
- クラウド経理
- コンプライアンス

## Target Audience
- 中小企業の経理担当者
- スタートアップの CFO / 管理部門
- 会計事務所のスタッフ

## Contact
お問い合わせ: https://example.com/contact
サポート: support@example.com

注意点

llms.txt を設置しただけでは効果は期待できません。
定期的に更新し、サイトの変更を反映してください。

よくある質問

llms.txt は robots.txt と併用すべきですか?

はい。llms.txt は robots.txt の「代替」ではありません。

robots.txt は「クロールの許可 / 拒否」を伝えるファイルです。
AI ボットのアクセス制御は robots.txt で行います。

llms.txt は「サイト構造の要約」を伝えるファイルです。
併用することで、AI ボットに「どのページにアクセスできるか」と「サイト全体の構造」を伝えられます。

llms.txt を設置すると AI に引用されやすくなりますか?

2026 年 2 月時点では、llms.txt と AI 引用率の因果関係を示すデータは公開されていません。

llms.txt の効果を主張するツールやサービスもありますが、どの AI プラットフォームが llms.txt を参照しているかは公式に確認されていません。

llms.txt のフォーマットは決まっていますか?

標準仕様として確立されたフォーマットはありません。

一部の提唱者やツールが推奨するフォーマットはありますが、AI プラットフォーム各社が公式にサポートを表明しているわけではありません。

現時点では、マークダウン形式でシンプルに記述することが推奨されています。

llms.txt はどのくらいの頻度で更新すべきですか?

サイトの主要な構造やコンテンツが変わったタイミングで更新してください。

毎日更新する必要はありません。
月次または四半期ごとの見直しで十分です。

ただし、更新日を冒頭に記載し、情報の鮮度を明示してください。

llms.txt を生成してくれるツールはありますか?

一部の GEO ツールが llms.txt の生成・ホスティング機能を提供しています。

  • ChatRank: LLMs.txt Generation / LLMs.txt Hosting 機能を提供
  • Cognizo: technical audits の一環として llms.txt 生成を含む

これらのツールを使う場合も、生成された内容を確認し、自社の情報設計に合っているか検証してください。

まとめ

llms.txt は、サイト構造を LLM に伝えるためのファイルです。
ただし、2026 年 2 月時点では公式サポートを表明している AI プラットフォームはありません。

導入を検討する際のポイント:

  1. 優先度を見極める — robots.txt や構造化データの整備が先。llms.txt は「あれば良い」レベル
  2. シンプルに書く — 主要セクション、トピック、更新日を記載。SEO キーワードの詰め込みは不要
  3. 過度な期待は禁物 — 「llms.txt を設置すれば引用される」という因果関係は確認されていない

llms.txt を作成する過程で、サイト全体の情報設計を見直す良い機会になります。
その整理作業自体が、AI 検索対応の第一歩になります。

まずは robots.txt と構造化データを整備し、余力があれば llms.txt も追加する。
この順番で進めてください。

カテゴリー: 05 施策

作成者: Nonoka Takeda